全日本大会後、麻山先生の許可を得て、高知支部へと出稽古に行った。
南国市警察の真向かいに建つ、三階建の二階が高知県本部道場だ。
広い面積の道場は、青色のジョイントマットが敷き詰められ、正面には神棚、掛け軸、世界大会優勝の刀が飾られ、後方には、土居支部長手作りの事務所がある。
事務所の中には、空手の雑誌やサバキチャレンジのビデオがならんでおり、興味深く見ていた。
大阪支部以外の道場で、稽古をさせてもらうのは、初めての経験だったので、とてもワクワクし、嬉しかった。
発足間もない高知支部は、まだ白帯と青帯の道場生だけだったが、基本から捌きまで高いレベルでの稽古であり、驚いた。
そして、その当時の道場生が今黒帯を締め、高知支部の指導員となり、活躍している。
少年部においても、まだ私の腰くらいまでしかなかった刈谷義貴、田畑勇気、大西愛美
が白帯だった。
彼らは、皆私の身長を追い越し、一般の大会でも活躍している。
先日の関西大会でも、刈谷義貴と岡村雅希の高知支部の2人による"一般Bクラス決勝戦"は鳥肌がたった。
2009サバキチャレンジ関西大会で、決勝戦を戦った刈谷義貴、岡村雅希
その他にも高知支部の一般、少年部の道場生の空手のレベルは本当にすごい。
そして、特徴として、皆が土居支部長の心と技をしっかり受け継いでいる。
土居支部長の組手は、鋭く倒しにかかる打撃技に、曲芸のように美しい捌きの技術である。
そして何より、土居支部長は「人とのつながりを第一にし、誰とでも、真剣に向いあってくれる」
私も、全日本大会で出会ってから今日にいたるまでたくさんの事を学んだ。
広島支部から地方大会に選手が出場すると、どうしてもセコンドや応援の数が少ない。
そんなときは、高知支部の指導員、道場生、そして父兄までがパンフレットを調べ「銀司!がんばれ!」「ひなた!下がるな」と応援してくれる。
そんな愛情たっぷりなつながりに、生徒も私も成長させてもらう。
私の試合の目標は土居支部長だった。
勝ちたいとかそういうことよりも、もう一度、土居支部長と真剣に向き合って、自分の力のありったけをぶつけたい。
勝負である限り「勝ちたい」のは当たり前だが、ただ純粋に本物の武道家と真剣に組み手が出来ることが嬉しかった。
しかし、2004年の世界大会で土居支部長は現役を引退された。
その大会では、土居支部長とおなじミドル級でエントリーし、順当に勝ち上がれば決勝戦で対戦することができた。
しかし私は準決勝で敗退し、夢は叶わなかった。
ライト級では、同門の長石と三村が、決勝戦で対戦し"三村が世界チャンピオン"に...
ヘビー級では、総本部の"マイクがヘビー級で2階級制覇"を成し遂げ...
女子部では、同門の"岩井寿子(旧姓野村)が堂々の連覇"を果たしていた。
皆がそれぞれ目標を達成し、メダルと優勝トロフィーの刀を手にし、私ひとり、手ぶらで情けなかった。
皆が記念撮影しているときも、顔では「おめでとう」と笑っているものの...本当のところはすぐにでもその場から逃げたかった。
すると...土居支部長が私の肩をたたき「大策は本当にえらい、ちゃんと毎回強うなって大会に出とるき、どんな気持ちで稽古してきたか、組み手見ててたらようわかる」と言ってくれた。
そして「二人で写真を撮ろうか」と言って、首に掛けていたメダルを置き、トロフィーの刀も置き、空手衣ひとつの姿で、写真を撮ってくれた。
その土居支部長の気持ちがとても嬉しいと同時に、情けない自分だが、必ず優勝しようと強い決意ができた。
合宿での一枚
その後大阪に帰り、麻山先生と道場で何か話しているときに「土居支部長みたいな技が、鈴木支部長みたいに...」と私が言うと「誰みたいにじゃないよ、お前は竹内大策の空手をやって、竹内大策みたいになりたいって言われるようにならないとな」と言ってくれた。
その時、私は2005年 ヘビー級に出場することを決意した。
押忍!
関西大会のスタッフの方々、素晴らしい大会の場を
ありがとうございました。どの地域の大会も本当に
胸が熱くなり、いつも感動させられます。
本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
本年度の高知大会で、2人息子の兄が「サバキスピリット賞」を
頂く事ができました。私は、まさか息子がこの様な賞を頂けるとは思っても居ませんでした。関西大会が有ると先生に聞き、「次の大会で、賞をキッカケに成長したこの子の姿を絶対に見せたい!」と言う気持ちがとても強くなり、また先生方にも「あの大会で、この子をサバキスピリット賞に選んで間違いなかった」と思っていただきたく、息子と家でも道場でも稽古に励んだつもりです。結果は一回戦負けでしたが、少しでも多くの先生方、先輩方に息子のスピリットが伝わっている事を信じております。
押忍!